拠点の若手研究者紹介
産業技術総合研究所 機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター 特別研究員 深澤 太郎 Taro Fukazawa

研究者になった動機

考えることが好きだったので、子どものころから自分は研究者になるものだと思っていました。昔からプログラミングが好きだったのですが、それも今の研究につながっています。研究は人の役に立つこともありますから、それも魅力だと思います。

アピールポイント

固体中の電子のシミュレーション手法(第一原理電子状態計算)と機械学習とを組み合わせて、今までにない高性能な磁石化合物を探す研究をしています。磁性体の第一原理計算はもとから専門ですし、機械学習の方でもいくつか成果が出てきました。これらの知識を融合させてもっと良い成果がきっと出ると思います。

研究のやりがい、面白さ

今日の固体電子のシミュレーション手法の観点からしても、新しく高性能な磁石化合物を見つけるというのはひとつのチャレンジです。けれども、私たちには昔よりも速いコンピュータがあり、昔はなかった第一原理計算や機械学習のツールや手法があります。これらをどうやって使ったらよいか考え、失敗し、失敗し、そしてときに、うまくいくのはとても面白いことです。

やってみたい研究

何はともあれ、今までにない高性能な磁石化合物を実際に見つけるというのが今の目標です。そのために磁石のしくみをよく理解し、シミュレーションや機械学習の新しい技術を開発することがきっと役に立つと思います。知識や道具の開発、そして新化合物の探索、この両方をうまく組み合わせて研究をしたいと思っています。

研究以外で、やってみたいこと、興味があること

趣味でときどき囲碁を打ったり、将棋を指したりするのですが、ちっとも上達しません。両方ともアマチュア初段くらいになれたら嬉しいのですが、先は長そうです。また、つくばに来てから、たまに山登りに行くようになりました。筑波山や高尾山のような低山ばかりですが、運動不足がたたって、いつもへとへとになって帰ってきます。

深澤 太郎
Taro Fukazawa

産業技術総合研究所 機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター 特別研究員

主な経歴:

名古屋生まれ。東海高等学校、大阪大学理学部を経て、2011年大阪大学理学研究科物理学専攻後期課程修了。博士(理学)。その後、同基礎工学部、ドイツForschungszentrum Jülich、岐阜大学に勤め、2015年4月より現職。固体電子論とくに第一原理電子状態計算を専門とする。

受賞
“Art in Magnetism” 審査員賞 [IEEE International Magnetics Conference 2018]

資格等
中型自動車免許(8t以下限定)
中学校・高等学校教諭専修免許(理科)
TOEIC 920点
英検準1級

主論文:

  • [1] Taro Fukazawa, Hisazumi Akai, Yosuke Harashima, and Takashi Miyake. First-principles study of spin-wave dispersion in Sm(Fe1−xCox)12. Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 469:296 – 301, 2019.
  • [2] Taro Fukazawa, Hisazumi Akai, Yosuke Harashima, and Takashi Miyake. First-principles Study of Intersite Magnetic Couplings and Curie Temperature in RFe12xCrx (R= Y, Nd, Sm). Journal of Physical Society of Japan, 87(4), 2018.

連絡先:

e-mailアドレス
taro.fukazawa(at)aist.go.jp
*(at)を@に変換してください。