拠点の若手研究者紹介
高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 ミュオン科学研究系 平石 雅俊 Masatoshi Hiraishi

研究者になった動機

大学3年時の物理学実験でミュオンが火山の透視や核融合の触媒、物性研究にまで使われていることを知り興味を抱いたので、大学院でミュオンによる物性研究を始めました。水素の軽い同位体としてユニークな研究をできるのが魅力です。

アピールポイント

どちらかというと手を動かすハードウェアよりも、指を動かすソフトウェアの方が得意です。自分のためにつくったミュオンの実験状況モニタープログラムは、他のユーザーにも便利に使ってもらっています。

研究のやりがい、面白さ

実験結果を予想してこういう結果が出るだろうと思いながら、いざ実験/解析すると予期せぬ結果になることがまれにあります。そういう状況で想像力を働かせながらいろいろ試行錯誤しているときは、地味ながらもやりがいのようなものを感じます。

やってみたい研究

ミュオンを使った水素の研究はこれからも続けていきたいと思っています。物質中における不純物としての水素の電子状態をシミュレートできるほかにはない実験手法として、半導体や熱電材料などの実用材料で最大限活用したいと思っています。

研究以外で、やってみたいこと、興味があること

趣味と言えるほどではなく、たまにしか乗りませんが自転車 (クロスバイク) が好きです。お金をかけずにいじって、いつの日か本格的な格好をした人たち (ロードバイク) を路上で抜き去りたいと思っています。無謀だということは承知しています。

平石 雅俊
Masatoshi Hiraishi

高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 ミュオン科学研究系

主な経歴:

2012年3月、総合研究大学院大学高エネルギー加速器科学研究科物質構造科学専攻にてミュオンという素粒子を使ったプローブによる鉄系超伝導体の研究で博士過程を修了し、現職に着任しました。現在も、ミュオンを使って物質中における水素の電子状態に関する研究などを行っています。

普通自動車運転免許

主論文:

  • [1] Cage Electron-Hydroxyl Complex State as Electron Donor in Mayenite. M. Hiraishi, K. M. Kojima, M. Miyazaki, I. Yamauchi, H. Okabe, A. Koda, R. Kadono, S. Matsuishi, and H. Hosono Phys. Rev. B 93, 121201(R) (2016)
  • [2] Electronic correlation in the quasi-two-dimensional electride Y2C M. Hiraishi, K. M. Kojima, I. Yamauchi, H. Okabe, S. Takeshita, A. Koda, R. Kadono, X. Zhang, S. Matsuishi, H. Hosono, K. Hirata, S. Otani, and N. Ohash Phys. Rev. B 98, 041104(R) (2018)

連絡先:

e-mailアドレス
hiramasa(at)post.kek.jp
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