拠点の若手研究者紹介
東京工業大学元素戦略研究センター研究員 兼高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 協力研究員 河智 史朗 Shiro Kawachi

研究者になった動機

小さいころから科学が好きで研究者になることが夢でしたが、実際に志したきっかけは大学院時代での経験からです。新しい現象やその背後の普遍性を追究することにやりがいを感じました。

アピールポイント

根気強さです。大学院時代、磁歪測定用装置を構築していましたが、妥協せずに失敗と改良を重ねていった結果、パルス強磁場中で世界最高級の精度での測定に成功しました。

研究のやりがい、面白さ

先人たちの研究から問題を提案し、その解決のために工夫を凝らすといったオリジナリティを発揮できることが、研究の醍醐味だと思います。それによって良い結果が得られたときの達成感は何ものにも代えがたいです。なかでも、自分の研究が今後誰かの役に立てるのではないかと考えると夢が膨らみます。

やってみたい研究

パルス強磁場と放射光X線散乱を組み合わせた測定系を構築し、室温で強磁性・強誘電性が共存する物質の微視的なメカニズムを明らかにしたいです。 また、基礎研究だけでなく、その実用化の条件を満たすための探索も行ってみたいです。

研究以外で、やってみたいこと、興味があること

最近は、古事記の神話を読んで各地の神社に行って歴史を知ることに興味があります。過去に思いを馳せることは、自分が今後何をしていくべきかを考えるきっかけを与えてくれます。それとは別に、趣味のバレーボールを通じて研究者だけでなくさまざまな職種の人たちと交流して人脈を広げたいです。

河智 史朗
Shiro Kawachi

東京工業大学元素戦略研究センター研究員
兼高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 協力研究員

主な経歴:

2017年、東京大学理学研究科物理学専攻・博士課程を修了し、現職に就きました。博士課程では、東京大学物性研究所の超強磁場科学研究施設にてパルス強磁場を用いた物性測定を行い、室温マルチフェロイック物質BiFeO3の電気磁気効果の研究で博士号を取得しました。

玉掛け技能講習修了
クレーン運転特別教育修了
普通自動車運転免許

主論文:

  • [1] “Resistive memory effects in BiFeO3 single crystals controlled by transverse electric fields “, S. Kawachi, H. Kuroe, T. Ito, A. Miyake, and M. Tokunaga, Appl. Phys. Lett. 108, 162903 (2016); 110, 239902 (2017).
  • [2] “Successive field-induced transitions in BiFeO3 around room temperature”, S. Kawachi, A. Miyake, T. Ito, S. E. Dissanayake, M. Matsuda, W. Ratcliff II, Z. Xu, Y. Zhao, S. Miyahara, N. Furukawa, and M. Tokunaga, Phys. Rev. Materials 1, 024408 (2017).

連絡先:

e-mailアドレス
kawachi.s.ab(at)m.titech.ac.jp
*(at)を@に変換してください。