拠点の若手研究者紹介
高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門
元素戦略プロジェクト博士研究員
豊木 研太郎 Kentaro Toyoki
研究者になった動機
科学少年だったわけではなく、機械が好きだったので工学部に進み、材料分野を選択しました。スピントロニクスの研究でもSPring-8の軟X線を使っていました。材料系や測定技術は性に合っていたと思っています。
アピールポイント
ハードウェアだけでなく、ソフトウェアづくりも得意です。スピントロニクス研究で測定用プログラミングを開発していた経験を生かして、SPring-8では測定データを可視化するソフトウェアの開発にも自発的に取り組んできました。
研究のやりがい、面白さ
わからないこと、不可能だと思われていることを自分の力で解決していくのが面白く、楽しいです。そういう問題に取り組むとき、他人とは違う発想で抜本的解決のためのアイディアを考えるのもやりがいがありますが、小さな工夫を積み重ねる日進月歩的なじわじわとした改善にも達成感を感じます。
やってみたい研究
今後も磁性の研究を続けていきたいと考えています。最大の課題である保磁力のメカニズムを完全に解明するには、数百原子の磁化反転がトリガーになってセンチメートルオーダーまで広がっていく、とほうもないスケール幅を測定しなければなりません。そのすべてが見える測定装置を開発したいです。
研究以外で、やってみたいこと、興味があること
格別挙げてやってみたいことはありません。研究以外では割と感覚的、衝動的に生きています。これを書いている時点は、福岡にラーメンを食べに行きたいですが1時間後はわかりません。あえて比較的長い間興味を持っているものを挙げるなら、各地の文化・文化史などが好きです。
豊木 研太郎
Kentaro Toyoki
高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門
元素戦略プロジェクト博士研究員
主な経歴:
2015年9月、大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻・博士課程修了し、Cr2O3のスピントロニクス研究で博士号を取得。同10月、現職につきました。
メインの研究は、走査型軟X線顕微鏡(SXM)を使った磁気イメージングで、磁化の反転がどこで起きるかを調べて、保磁力の発現メカニズム解明につなげようとしています。
普通自動車運転免許
主論文:
- [1] “Magnetoelectric switching of perpendicular exchange bias in Pt/Co/α-Cr2O3/Pt stacked films”, Kentaro Toyoki, Yu Shiratsuchi, Atsushi Kobane, Chiharu Mitsumata, Yoshinori Kotani, Tetsuya Nakamura, and Ryoichi Nakatani, Applied Physic Letters, Vol. 106, pp. 162404 (6 pp.) (2015).
- [2] “Switching of perpendicular exchange bias in Pt/Co/Pt/α-Cr2O3/Pt layered structure using magneto-electric effect”, Kentaro Toyoki, Yu Shiratsuchi, Atsushi Kobane, Shotaro Harimoto, Satoshi Onoue, Hikaru Nomura, and Ryoichi Nakatani, Journal of Applied Physics, Vol. 117, pp. 17D902 (4 pp.) (2015).
連絡先:
e-mailアドレス
kentaro.toyoki(at)spring8.or.jp
*(at)を@に変換してください。