PDからみなさまへ 元素戦略プロジェクト<研究拠点形成型>
今後4年間の成果収穫期への期待

10年プロジェクトとして発足した当初からPDを務められた村井眞二先生と澤岡 昭先生がそれぞれ4年目および6年目でご勇退され、筆者がその後のPDをお引き受けすることとなりました。残り4年間という成果収穫期のPDであり、責任重大です。微力ながら気を引き締めて、各拠点との情報交換を密にとりつつ取り組みたいと思います。

元素戦略研究は、単なる課題解決型プロジェクトではなく、サイエンスベースでの学理構築とそれに基づくイノベーション創出・産業応用につなげる国家プロジェクトです。最近の産業界の技術革新のスピードには目を見張るものがあります。この国家プロジェクトは産業界から信頼され、尊敬される存在でなければなりません。そのためにも、各拠点は産業界との情報交換の密度をこれまで以上に高める必要があります。この連携を通して、産業応用、社会実装の基盤となるレベルの高い学理が構築され、それに基づいた新たな物質材料が創出されることを期待しています。さらに、各研究拠点はプロジェクトの終了後に自立することが求められていますので、今後4年間で、活動資金や運営面などを強化していく必要があります。

サイエンスで資源問題を解決するという「元素戦略」のコンセプトは日本で提唱されたものです。そして、世界へ向けて発信され、同様なプロジェクトを発足させています。また、元素戦略プロジェクトの成果は、国連で採択されたコンセンサスSDGs(持続可能な開発目標)の課題解決につながります。今後、「元素戦略」のリーダーとして世界への成果の発信と社会への貢献を加速していきます。

元素戦略プロジェクト<研究拠点形成型>
プログラム・ディレクター(PD)

玉尾 皓平

豊田理化学研究所所長